結論から申し上げれば、金融関係者や取材記者の共通見解として「無審査で誰でも通るような甘いクレジットカード」は日本の法制度上、絶対に存在しません。割賦販売法第30条の2において、クレジットカード会社には利用者の返済能力を超えるクレジット契約の締結を防止するため、「支払可能見込額の調査」が明確に義務付けられているからです。
経済産業省の指導のもと、カード会社は「年収 − 生活維持費 − 年間請求予定額」という法定の算定式に基づいて利用可能枠を厳格に算出しなければなりません。したがって、法的な返済余力がないと判断された申込者に対してカードを発行すれば、カード会社側が行政処分の対象となります。
では、なぜネット上では「審査が通りやすい」という評判がこれほど広まっているのでしょうか。その理由は、カード会社ごとの顧客ターゲットの違いとクレジットカード独自審査基準の存在にあります。
クレジットカードは発行母体によって大きく5つの階層(系統)に分類され、審査難易度のピラミッドを形成しています。最も厳格とされるのがステータス性と低貸倒率を重視する「銀行系」です。次いで「交通系・鉄道系」「信販系」「流通系」、そして最も裾野を広げているのが「消費者金融系」となります。自社店舗の売上促進や顧客データの獲得を主目的とする流通系カードや、利息収入を基盤とする消費者金融系カードは、若年層や非正規雇用者も積極的に受け入れる審査設計を採用しているため、体感として「通りやすい」という現象が生まれるのです。