パリ中心部の喧騒から少し離れたこの地に立つと、時間の流れが変容したかのような錯覚を覚える。かつて軍事施設や職人の工房として使われていた19世紀の赤レンガ建築群。それらが現代建築家たちの手によって、先進的な文化交流拠点へと生まれ変わった。
設計を手掛けた建築チームがこだわったのは、「既存の骨格を一切壊さない」という冷徹なまでの美学だ。古い壁面をそのまま活かしつつ、内部には超軽量のカーボンファイバーや透過性木材を配した。新旧の素材がぶつかり合い、独自のグラデーションを生み出している。建築好きならずとも、その圧倒的な空間体験には息をのむはずだ。