ご祝儀やお祝い金を包む際、最も失敗が許されないのが「のし袋の選び方」と「表書きの形式」です。冠婚葬祭の形式美は相手への敬意そのものであり、基本ルールから外れると教養を疑われる要因にもなります。
まず水引について、出産やお宮参りは「何度繰り返しても喜ばしいお祝い事」に分類されるため、必ず「紅白の蝶結び(花結び)」を選びます。一度きりであってほしい結婚祝いや快気祝いで使われる「結び切り」や「あわじ結び」を使用してしまうと、重大なマナー違反となるため陳列棚で慎重に見極める必要があります。
次に、のし袋(ご祝儀袋)の表書きと中袋の書き方は次の手順で統一します。
上段には、筆ペンまたは濃い黒墨を用いて「祝 御宮参」または「御祝」と明記します。下段には贈り主のフルネームをバランスよく配置します。夫婦連名で贈る場合は、夫の氏名を中央に書き、その左隣に妻の名のみを添えるのが美しいレイアウトです。
中袋(中包み)の表面には、中央に包んだ金額を「金 壱萬圓」「金 伍阡圓」のように大字(旧字体の漢数字)で記載します。裏面左下には贈り主の住所と氏名を楷書で正確に記します。中に入れるお札は、新しい門出を祝う慶事の鉄則として「新札(ピン札)」を用意し、肖像画が表側かつ封筒の上部に来るよう向きを揃えて収めます。
渡すタイミングとしては、「神社に集合した直後のご挨拶時」、あるいは参拝後の「食事会が始まる前の着席時」が最も自然です。ご祈祷の受付直前や移動中の雑踏で慌ただしく手渡すのは避け、袱紗(ふくさ)から丁寧に取り出して両手で手渡す所作が、祝いの席にふさわしい品格を生み出します。