日本における性描写規制の根幹をなすのが、明治時代に作られた枠組みを色濃く残す刑法175条だ。わいせつ物の頒布や陳列を禁じるこの条文は、サイバー空間が主戦場となった現代においても強力な法的効力を持ち続けている。しかし、法学者や人権弁護士の間では、この運用が憲法第21条(表現の自由)を侵害しているのではないかという議論が絶えない。
時代の変化とともに「何がわいせつに当たるか」という社会的通念は移り変わる。最高裁判所の判例でも判断基準の揺らぎが見られる中、デジタルデータの頒布に対する厳罰化と、個人の表現活動における権利擁護とのバランスをどう保つべきか。法改正を含めた抜本的な議論の必要性が各界から指摘されている。