外出派の喧騒と対をなすように、自宅のリビングや手のひらのスマートフォン上でも熱い祝祭が繰り広げられている。その中心に君臨するのが、日本放送協会(NHK)が誇る国民的長寿番組「第75回NHK紅白歌合戦」だ。司会を務める有吉弘行が放つ軽妙かつ予測不能な進行が、番組全体に心地よいライブ感とグルーヴを与えている。
現代の年越しスタイルを象徴しているのが、テレビ放送と連動したデジタルプラットフォームの活用だ。TVerによる見逃し配信やリアルタイム配信に加え、ABEMAなどのネット配信メディアが展開する独自の特別番組や裏実況コンテンツが、若年層を中心に強固な支持を集めている。
テレビの大画面で紅白の熱唱を見つめながら、スマホでSNSのトレンドを追い、ABEMAのコメント欄で共感を広げる。空間の隔たりを越えて無数の個人がデジタル上で結びつく「分散型カウントダウン」は、現代日本の新しい年越し様式として完全に定着した。