次男のこっちのけんと(菅生健人)さんは、駒澤大学在学中からアカペラグループ「ケミカルテット」のメンバーとして活躍し、全国大会「A cappella Spirits」で2年連続優勝を果たすなど、早くから卓越した歌唱力とリズム感を証明していました。
大学卒業後は一般企業に就職したものの、自らの表現活動への情熱を断ち切れず、会社員生活と音楽活動の狭間で深刻なメンタルヘルスの不調(双極性障害II型)を経験。当時の手記や公式インタビューにおいて、彼は「兄の圧倒的な存在感に対する劣等感と、自分は何者にもなれていないという焦燥感に押しつぶされそうだった」と吐露しています。
その壮絶な葛藤から生まれたのが、2026年5月にリリースされた代表曲『はいよろこんで』でした。
キャッチーな昭和レトロ調のメロディと、かねひさ和哉氏によるアニメーションMVの裏には、モールス信号で刻まれた「トントントン・ツーツーツー・トントントン(SOS)」のフレーズが組み込まれています。理不尽な日常の中で「喜んで!」と笑顔で自分をすり減らす現代人の悲哀と救済を描いたこの楽曲は、TikTokをはじめとするSNSで爆発的に拡散。国内外のストリーミングチャートを席巻し、同年末の『第75回NHK紅白歌合戦』への初出場という快挙を成し遂げました。
兄弟の威光に頼ることなく、自身の弱さや痛みを音楽という芸術へ昇華させた姿勢は、音楽業界関係者からも極めて高い評価を受けています。