長年ネット上で定着している「日本酒は太る」「焼酎ならいくら飲んでも痩せる」という言説は、現場の栄養指導やアルコール代謝の観点から見れば明らかな誤謬(ごびゅう)です。
日本酒1合(180ml)に含まれる糖質は約6.5g。これは白米のご飯茶碗わずか5分の1杯程度(角砂糖1個半程度)に過ぎません。ビール(中瓶1本で糖質約15g)などと比較しても、極端に糖質過多なお酒ではないのです。
ではなぜ「日本酒=太る」というイメージが定着したのでしょうか。その真相は、日本酒に含まれるアミノ酸やコハク酸が食欲を強烈に増進させ、塩分や脂質の多いおつまみを過剰摂取してしまう二次的要因にあります。さらに、日本酒の甘みと旨味が脂っこい料理や濃い味付けの料理と抜群にマッチするため、結果として総摂取カロリーが跳ね上がってしまうのです。
反対に、糖質ゼロの本格焼酎を飲んでいても、揚げ物や締め(シメ)のラーメンを一緒に平らげてしまえば、体内でアルコールが優先的に分解される裏で脂質がそのまま体脂肪として蓄積されます。太るかどうかの決定打は、お酒の種類そのものよりも「何を一緒に食べ、どれだけの総カロリーを摂取したか」にあるのです。