多くの人が疑問を抱くのが、「ネットであれだけ話題になっていた候補がなぜ落選するのか」「掲示板の空気感と当確速報が真逆になるのはなぜか」という点です。この強烈な違和感には、明確な構造的要因が存在します。
第一に挙げられるのが、「可視化された熱狂」と「実際の有権者構成」の隔たりです。ネット掲示板やSNSで熱心に書き込みを行うユーザー層は、全有権者から見れば極めて限られた一部に過ぎません。実際の選挙結果を左右するのは、ネット上で発信を行わないサイレントマジョリティー、とりわけ人口ボリュームが大きく投票率も高い中高年層の動向です。
第二に、ネットの反応 選挙 なんJまとめなどの情報拡散プロセスによるバイアスです。極端な主張や過激なスローガンを掲げる候補者はネット上でミーム化されやすく、実況スレでも繰り返し言及されるため、あたかも社会全体で大ブームが起きているような錯覚を生み出します。しかし、無党派層や浮動票の実際の投票行動は、ネット上のバズとは無関係に堅実な選択へと傾くケースが大半を占めます。
「ネットで大人気=民意」という短絡的な図式は、デジタル空間のエコーチェンバー現象が生み出す典型的な蜃気楼に過ぎません。