宇治の歴史的な街並みは、文化財としても極めて高い価値を誇る。歴史的建造物が立ち並ぶ通り沿いに佇むこの本店も、重要伝統的建造物群保存地区の文脈を感じさせる重厚な構えを見せる。黒塗りの外壁や格子窓、重厚な長屋門。時代のうねりを潜り抜けてきた建物自体が、ひとつの生きている文脈だ。
中庭に足を踏み入れると、目に入るのは見事な枝ぶりの「くろのすけの松(元禄の松)」。樹齢数百年の大松が静かに中庭を見守り、四季の風と陽光を受け止めている。歴史ある空間で静かに宇治茶を啜る時間は、中村藤吉本店 宇治本店だからこそ提供できる贅沢なひとときと言える。