2010年代前半の日本映画界において、二人が放っていた存在感は圧倒的だった。園子温監督の『ヒミズ』でベネチア国際映画祭の新人賞を獲得し、若き天才として頭角を現した二階堂ふみ。一方、新井浩文はアウトローや一癖あるバイプレイヤーとして、邦画界に欠かせない唯一無二のポジションを確立していた。
二人の交際が報じられた当時、それは単なる芸能ニュースにとどまらなかった。映画に対するストイックな姿勢や、独特の美意識を共有する者同士の共鳴として、多くのクリエイターやファンが彼らの関係に注目していたのだ。スクリーン内外で見せる彼らの佇まいは、当時のインディーズ映画バブルの熱気と見事にシンクロしていた。