この現象の興味深いところは、TikTokやInstagramといった短尺動画に慣れ親しんだ10代〜20代の若年層が、真っ先に熱狂した点にある。1分間のハイペースな動画が溢れる時代に、あえてじっくりと観察するスタイルの作品が受け入れられたのは一見矛盾しているようにも思える。
しかし、常時接続のストレスに晒されている若い世代にとって、彼女の描く「静寂」は最高の贅沢であり、救いでもあった。SNS上では「観ている間、初めてスマホのことを忘れられた」「息をするのを忘れるくらい吸い込まれた」といった投稿が相次ぎ、ハッシュタグによる二次創作や考察合戦が世界中で加熱している。