製品の骨子となるのが「真田編み」と呼ばれる技法だ。7本の麦わらを引き揃えて平たく編み上げたテープ状の素材は、しなやかさと強度を兼ね備える。職人はこれを渦巻き状に重ね合わせながら、専用の円筒型ミシンで一気に縫い上げていく。指先の感覚だけで全体の丸みや傾斜をコントロールする作業は、まさに熟練の感性がなせる業だ。
こうして完成した帽子は、天然素材特有の優れた通気性を誇る。湿度の高い日本の夏においても頭部が蒸れにくく、かぶっていることを忘れるほど軽い。また、使い込むほどに深みを増す飴色の経年変化は、伝統工芸品ならではの醍醐味である。天然の麦が持つしなやかな弾力性が、被る人の頭の形に少しずつ馴染んでいく。