「1週間500球」の投球数制限が定着した現代の高校野球において、大差のついた試合展開は監督に重い選択を迫る。無理に試合を引き延ばせば、エース投手の球数を無駄に消費し、次の試合での戦力を失うことになりかねない。点数差を受け入れてゲームを早期に終わらせることが、時にチーム全体の延命につながる。
ある強豪校の監督は素直な胸の内を語る。「最後まで諦めない姿勢は教えたい。だが、酷暑の中で勝敗が決している試合を引き延ばし、大切な投手の肩や肘を壊すわけにはいかない」。かつて美徳とされた『泥臭く食い下がる9回』は、スポーツ科学とリスク管理の視点によって塗り替えられつつある。