2026年現在、私たちは歴史上最も記憶が当てにならない時代を生きている。かつて「写真や映像は紛れもない事実の証拠」とされていたが、その常識は完全に崩壊した。今やテキスト数行で、存在しない「10年前の家族旅行」の4K動画が瞬時に生成される。
自分の記憶すら疑わしい。「幼い頃に見たあの風景」は、本当に自分が体験したものなのか。それとも、子供時代にSNSやAIアルバムで生成された捏造画像を見せられ続けた結果、脳内に定着した疑似記憶なのか。デジタルデータが過去を塗り替え続ける現代社会は、図らずも「過去は5分前にいくらでも合成できる」という事実を日々証明しているのだ。