彼のアイコンとも言える帽子は、イタリアの歴史ある高級帽子ブランド「ボルサリーノ」のフェドラハットだ。ツバの傾け方から帽子の被り深さに至るまで、計算し尽くされたバランスでスタイリングされている。名作映画『ゴッドファーザー』に描かれたクラシカルな男たちの佇まいを思わせるシルエットは、こうした妥協のない美意識から生まれている。
この洗練されたスタイリングは一朝一夕で完成したものではない。若き日に海外留学やビジネスを経験し、本場ヨーロッパの正統なドレスコードを身をもって知る麻生太郎氏だからこそ到達できた境地だ。裏事情を探ると、流行を追いかけるのではなく、「己の骨格と生き様に最も似合う装い」を追求し続けた堅固な信念が見えてくる。