明確な学術的定義が存在しない点こそ、このジャンルの最大の特徴かもしれない。一般的には「表紙や挿絵にアニメ風のイラストを配し、十代から二十代の若年層を主なターゲットとした読みやすい文庫作品」と捉えられてきた。しかし、現在の読者層は三十代以上にも大きく広がっており、旧来の定義だけでは捉えきれなくなっている。
一般文芸との決定的な違いは、作品構造の起点が「キャラクター」にある点だ。従来の小説がテーマや情景描写、人間ドラマの重厚さを軸に組み立てられるのに対し、ライトノベルは個性的で魅力的なキャラクターの存在が物語全体を駆動する。テンポの良い会話劇や視覚的なイメージの湧きやすさが徹底的に追求されており、読者がストレスなく物語に没入できる工夫が凝らされているのだ。