かつて就職活動において「超高給」「華やかな業界」の筆頭格だったテレビ局ですが、学生からの評価と現場の労働環境は大きく変貌を遂げています。
大手就職情報サイトの希望企業ランキングにおいて、かつて上位常連だったキー局は順位を落とし、総合商社や外資系コンサルティングファーム、大手IT企業に優秀層を奪われる傾向が顕著です。その背景にあるのが、テレビ局の年収見直しとキャリアの不確実性です。
大手キー局各社の有価証券報告書によると、平均年収は依然として1200万〜1400万円台という日本企業トップクラスの数字を維持している局が多いものの、内訳を見ると大きな変化が起きています。業績連動賞与(ボーナス)の減少や各種手当の統廃合、福利厚生の縮小によって、30代前後の若手社員が手にする実質的な生涯年収の見通しは全盛期より大幅に下方修正されています。
大手掲示板やSNS、就職クチコミサイトに寄せられた若手・中堅社員の生の声からは、給与面だけでなく業務内容への葛藤が浮き彫りになっています。
「地上波の視聴率至上主義から脱却できず、会議では『どうやってコア層(13〜49歳)を取るか』ばかり議論されるが、現場のリソースは減らされる一方。新しいデジタル施策を提案しても、年配の幹部にリスクを懸念されて頓挫することが多い」(キー局勤務・入社5年目社員の投稿)
コンテンツ制作に情熱を持って入社した若手が、硬直化した意思決定や旧態依然とした組織文化に失望し、メガベンチャーや独立系制作スタジオへ転職する事例が後を絶ちません。かつての特権的なステータスが薄れたことで、テレビ業界の採用現場はこれまでにない人材確保の難局を迎えています。