理学療法士や人体解剖学の専門家たちにとっても、この現象は格好の分析対象となっている。人間の骨格構造上、骨盤の向きと肩のラインを平行から激しくずらし、さらに足首の可動域を限界まで使うことでしか成立しないポーズが数多く存在する。まさに筋肉と関節の限界への挑戦だ。
実際に体現しようとすると、腹斜筋や中臀筋、体幹のインナーマッスルを強烈に動員しなければ、あっけなく転倒する。静止しているように見えて、体内では激しい筋収縮が起きている。見る者に恐怖と美しさを同時に感じさせる正体は、演者の肉体が発する極限の緊張感に他ならない。