内閣府の最新データによれば、生涯にわたって子どもを持たない世帯の割合は増加の一途をたどっている。にもかかわらず、世間の目は未だに冷ややかだ。「一人前になって初めて一人前の家庭」という昭和の家族観が、令和の現代でもステルス化して生き残っているからだ。SNSで流れる「子なし夫婦」への同情や揶揄は、そうした古い価値観の残滓(ざんし)に他ならない。
地方都市に住むある夫婦は、「親戚の集まりに行くたびに、無言の圧力を感じる」と明かす。子どもがいないというだけで、何か重大な欠陥があるかのように扱われる。この空気感こそが、当事者たちを追い詰める最大の要因となっている。