男性が自宅を出たのは金曜日の午後11時過ぎ。家族には「少しドライブに行ってくる」とだけ告げていた。日常的な息抜きのはずだった。しかし、日付が変わった午前0時42分、車両のGPS信号は綾部市郊外の山中で突然途絶えた。失踪後、父親が発見した車両は路肩にひっそりと停められ、鍵はイグニッションに挿さったまま、運転席のドアはわずかに開いていたという。
「息子の携帯電話は車内に取り残されていました。財布も、上着もそのままです」と父親は絞り出すような声で話す。車体に目立った衝突痕はなく、自損事故の可能性は低いとみられている。車内に残された父親所有の車両の記録メディアには、GPS切断直前までの走行データが克明に刻まれていた。