昭和から平成へと元号が変わる狂騒のなか、東京・原宿の歩行者天国は異様な熱気に包まれていた。毎週日曜日、路上をステージに変えて叫んでいたのが、結成間もないTHE BOOMだった。宮沢和史の歌声は、当時のバンドブームの主流だったパンクやビートロックとは一線を画していた。どこか哀愁を帯び、それでいて聴く者の胸を力強く抉るような響き。路上に集まった若者たちは、彼の歌声に未来の予感を感じ取っていた。
メジャーデビューを果たした彼らは、スカやレゲエ、フォークなど、ジャンルを軽々と飛び越える音楽性でシーンを席巻していく。その中心にいた宮沢は、ただのボーカリストではなかった。時代の最先端を走る表現者として、すでに独自の光を放っていたのだ。