スタンドに鳴り響く「ハイサイおじさん」の大演奏。沖縄尚学の攻撃が回を追うごとに、甲子園全体が異様な熱気に包まれていった。相手投手の150キロに迫る直球に苦しみ、中盤までわずか2安打に抑え込まれていた打線が、土壇場の8回裏に突如として目を覚ます。
1死二塁の場面、代打で送られた主将の一振りが右中間を真っ二つに割った。一走が一気にホームへ滑り込み、重苦しい雰囲気を一瞬で吹き飛ばす同点タイムリー。ベンチから飛び出すナインの笑顔と、涙を浮かべるスタンドの応援団。あの一撃が、試合の主導権を完全に手繰り寄せた瞬間だった。