画面上でこのジェスチャーが公式に扱われるようになったのは、2014年のことだ。世界共通の文字コードを策定するUnicode Consortiumが、「U+1F595」として「Reversed Hand with Middle Finger Extended」を標準規格に登録した。これにより、デジタルコミュニケーションにおける表現の選択肢として正式に組み込まれることとなった。
当初、IT・ソフトウェア産業の巨大企業たちはこの刺激的な記号の採用に慎重だった。しかし、AppleがiOSのアップデートでキーボードに搭載し、続いてGoogleもAndroid環境で追随したことで、一気に世界中のスマートフォンへと浸透していった。かつてはストリートの禁句だったサインが、誰でもワンタップで送信できる日常の記号へと変貌を遂げた瞬間だった。