時代劇の髷姿であれ、現代劇のスーツ姿であれ、彼が画面に現れるだけで映画のトーンが一変した。それは彼が単なる「男前」ではなく、人生の陰影や孤独を背負った男のニヒリズムを漂わせることができたからだ。
影のある男の危険な魅力、言葉の発音ひとつに込められた哀愁、そしてスクリーンの奥深くを見つめる鋭い眼光。型にハマらない自由さと、極限まで無駄を削ぎ落とした静かな佇まいは、数々の現代劇やアクション作においても強烈なフックとなった。根津がスクリーンに刻みつけた傷痕のような存在感は、今も多くのクリエイターにインスピレーションを与え続けている。