Kanariaが生み出した『KING』は、無駄を極限まで削ぎ落としたミニマルなビートと、中毒性の高いリフレインが特徴の楽曲だ。バーチャルシンガー特有の無機質さとスピード感が絶妙な緊張感を生んでいた原曲に対し、ちゃんみなは生身の人間だからこそ宿る狂気とエモーションを叩き込んだ。
特筆すべきは、自在にギアを切り替えるフロウの巧みさだ。スローモーな語り口から突如として繰り出される三連符の高速スピット、低音域を唸らせるドスを利かせた発声、そして高音域へと一気に駆け上がるメロディックな跳躍。彼女が培ってきた日本のヒップホップ屈指のスキルが、緻密な計算のもとで惜しみなく発揮されている。言葉の一つひとつが持つ子音をパーカッシブに弾けさせ、ビートの隙間を縫うようにリズムを操る様は、まさに職人芸の領域と言っていい。