林望氏の名を日本全国に轟かせた決定打が、1991年に刊行された傑作エッセイ『イギリスはおいしい』です。「イギリス料理は不味い」という根強い世間のステレオタイプに対し、現地で実際に生活し、家庭料理やパブの文化、伝統的なローストビーフやアフタヌーンティーの神髄を体験した知見をもとに、愛情と知的ユーモアを交えて真っ向から反論した本作は、発売と同時に大ベストセラーを記録しました。
同作は第39回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。「リンボウ先生」の愛称とともに、知性と生活感を兼ね備えた新しいエッセイの書き手として熱狂的な支持を集めました。続く『ホルムヘッドの謎』や『イギリスの生活歳時記』など、英国の街並みや文化を綴った一連のエッセイ群は、旅行ガイド本や一般的な海外滞在記とは一線を画す「本物の教養随筆」として、現在も読み継がれるロングセラーとなっています。