平成から令和への改元は、日本の近代史上でも極めて特別な出来事であった。2019年(平成31年/令和元年)、天皇陛下(現・上皇明仁さま)の生前退位に伴う譲位が執り行われ、日本中は穏やかな祝福ムードに包まれた。それまでの天皇崩御に伴う崩御改元とは異なり、事前の準備期間が設けられた稀有な歴史的転換点となったのである。
この歴史的改元を裏で支えたのが、内閣府や宮内庁をはじめとする政府機関だ。新元号「令和」の選定から公表に至るプロセス、法改正や各種システムの改修など、前例のない国家的プロジェクトが水面下で整然と進められた。元号法に基づく政令の発令により、平成という30年あまりの時代は幕を閉じ、新たな時代へとバトンが渡された。この整然とした移行プロセスがあったからこそ、私たちの生活の中で平成という元号が親しみ深い記憶として今も息づいている。