1980年代半ば、大映テレビが手掛けた一連の過激かつドラマチックな大映ドラマは、テレビ文化の最高峰としてお茶の間を魅了していた。なかでも『ヤヌスの鏡』は、学園サスペンスドラマの枠を超えた奇抜な設定とテンポの良い大セリフで知られる。過酷なロケとタイトなスケジュールの中、新星として抜擢された少女が背負ったプレッシャーは想像を絶するものがあったという。
ガラスの階段を突き破るような劇的な演出、独特の語り口調。今観ても胸を突く緊迫感は、彼女の鋭い眼光と儚げな表情のギャップがあってこそ成立していた。ただのアイドル女優にとどまらない「生々しい感情の吐露」が、画面越しに視聴者の心へと刺さっていたのだ。