主訴とは?医療・看護での意味や現病歴・受療動機との違いを徹底解説

主訴とは?医療・看護での意味や現病歴・受療動機との違いを徹底解説

主訴とは?医療・看護での意味や現病歴・受療動機との違いを徹底解説についての最新情報をお届けします。

臨床の現場で広く採用されている問題志向型システム(POS)に基づいた「SOAP記録」において、主訴の扱いは非常に重要です。

SOAP形式のカルテでは、各項目を以下のように区分します。

  • S(Subjective):患者の主観的な訴え、発言、主訴
  • O(Objective):バイタルサイン、検査結果、身体診察所見などの客観的データ
  • A(Assessment):SとOを総合した医療者の医学的評価・分析・判断
  • P(Plan):治療計画、追加検査、看護・ケア方針、患者教育

主訴はS(主観的情報)の冒頭に配置されるのが基本です。主訴の要約ポイントとして最も重要なのは、「医療者が勝手に医学用語へ変換しすぎない」点にあります。患者が「胸が締め付けられるように苦しい」と言っている場合、S欄にいきなり「狭心痛」と書くのではなく、発言のニュアンスを残して記載するのが鉄則です。

【分野別】主訴のカルテ・記録記載の具体例

① 一般診療・救急医療での例文
S:「昨晩から右の下腹部がズキズキ痛んで眠れなかった」(主訴:右下腹部痛)
O:BP 132/84、HR 88、BT 37.8℃。McBurney点に圧痛および反跳痛あり。
A:急性虫垂炎の疑い。
P:腹部超音波検査および血液検査実施。外科対診を依頼。

② 看護記録での例文
S:「術後の傷口がズキズキして体を動かせない」(主訴:術後創部痛)
O:VAS(視覚的評価スケール)7/10。創部に発赤・熱感なし。体位変換に強い抵抗感あり。
A:創部痛による早期離床の遅れのリスク。
P:医師指示の鎮痛剤投与後30分で疼痛再評価。痛みの緩和を確認後、ベッドサイド端座位を促す。

③ 歯科衛生士・歯科領域での例文
S:「冷たい水を飲むと右上の奥歯がキーンとしみる」(主訴:右上臼歯部の冷水痛)
O:右上6番に軽度の象牙質露出あり。打診痛(-)、歯周ポケット3mm以内。
A:知覚過敏の疑い。
P:知覚過敏抑制剤の塗布およびブラッシング圧の指導。

④ 介護・ケアプランでの例文
S:「最近足元がふらついて、夜中にトイレへ行くのが怖い」(主訴・利用者の訴え:夜間歩行時の転倒不安)
O:TUGテスト(立ち上がり歩行)低下。夜間排尿回数3〜4回。寝室からトイレ間の動線に段差あり。
A:下肢筋力低下および夜間頻尿に伴う転倒リスクの増大。
P:夜間ポータブルトイレの設置検討、ベッドサイドの手すり導入、訪問リハビリによる歩行訓練提案。

⑤ 心理カウンセリングでの例文
S:「職場で上司の前に立つと動悸が止まらなくなり、仕事に行きたくない」(主訴:出社時・対人場面における強い不安と動悸)
O:表情は強張っており視線が定まらない。発話時に声の震えが認められる。
A:職場環境における過度のストレスによる適応反応。
P:安全な傾聴環境の確保、認知的再評価の導入、必要に応じた心療内科受診の提案。

山本 拓海
Author

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。