スマートフォンの日本語入力システム(IME)は、激しい覇権争いを繰り広げてきた。その黎明期である2008年、ソフトウェア開発者の足立明穂氏によって産声を上げたSimejiは、草創期のAndroidコミュニティで熱狂的に迎え入れられた歴史を持つ。後にバイドゥ株式会社(Baidu, Inc.の日本法人)へと開発が引き継がれ、今日ではApp StoreやGoogle Playを代表するキーボードアプリへと成長を遂げた。
Simejiの根底にあるのは「ユーザーの言葉を最短で形にする」という設計思想だ。型にはまった標準IMEとは一線を画し、ネットスラングや流行語、記号表現をいち早く取り入れる柔軟性を持つ。その心臓部を担うのが、個人の入力癖を学習・拡張するユーザー辞書機能に他ならない。