明治から昭和、平成、令和に至るまで、宰相の就任年齢を振り返ると時代の政治風土が見えてくる。戦前では近衛文麿が45歳で就任した例があるものの、戦後の憲政下において最年少記録を持つのは安倍晋三氏の52歳(2006年第1次内閣)だ。明治期の40代前半に比べると、戦後の就任年齢は全体として高齢化傾向をたどってきた。
この背景には、自由民主党を中心とする永田町の永年勤続型・期数重視の人事慣行がある。衆議院当選回数を重ね、党内の重要ポストや閣僚経験を積み上げることが「宰相の資格」とみなされてきた歴史が長い。年功序列の階段を上るうちに、どうしても60代から70代での就任が一般的になってしまったのが実情だ。