毎年12月から1月にかけて各クラブから公表される契約満了選手一覧は、ストーブリーグの重要なトリガーとなります。契約満了は決して「実力不足による戦力外」だけを意味しません。クラブの予算規模や人件費枠の圧縮、あるいは選手側がより高い年俸や出場機会を求めて契約延長オファーを固辞した結果生じる「戦略的フリー」が数多く含まれています。
報道各社の取材データによると、J1・J2合わせて毎年200名以上の選手が契約満了を迎えますが、そのうち約65%の選手が翌シーズンもJリーグ内での再契約を勝ち取っています。特に実力と経験を兼ね備えた28〜32歳の中堅ディフェンダーやゲームメイカーは、移籍金ゼロで獲得できる即戦力として、昇格組や中位クラブから熱烈なオファーを受ける傾向にあります。
一方で、主力のフリー流出を経験したクラブは、その穴を埋めるために他クラブの契約中選手へ高額オファーを提示せざるを得ません。この「1本の契約満了が引き起こす玉突き移籍の連鎖」こそが、オフシーズンの噂が次々と飛び火する根本的なメカニズムです。