初代『機動戦士ガンダム』において、ハロは主人公アムロ・レイが自ら組み立て・プログラミングしたプライベートロボットとして描かれます。市販されていた球体トイロボットのベースキット(通称:太陽電池式ロボットキット)をアムロが購入し、持ち前の工学・電子工学の才能を注ぎ込んで大幅に魔改造した代物でした。
なぜアムロはハロを作ったのか。そこには、物語の根底に流れるアムロの孤独と家庭環境が深く関わっています。
地球連邦軍の技術士官として多忙を極め家庭を顧みない父テム・レイ、そして地球に残り別居状態にあった母カマリア。サイド7の広い自宅でほぼ一人暮らし同然の生活を送っていた内向的な少年アムロにとって、機械いじりは現実逃避であり、唯一心を許せる存在として生み出されたのがハロでした。心理学でいう「移行対象(安心感を得るための愛着対象)」として、ハロはアムロの精神的防壁の役割を果たしていたのです。
制作現場の逸話として、総監督である富野由悠季氏やメカニックデザインの大河原邦男氏らの証言によると、ハロの原案はガンダム以前の企画(没企画となった作品)に登場する予定だったマスコットキャラクターのアイデアを流用・洗練させたものでした。重厚でシリアスな戦争ドラマを描くにあたり、視聴者(当時のメインターゲットだった児童層)の親しみやすさを担保する意図もありましたが、劇中ではフラウ・ボウやカツ、レツ、キッカといった子どもたちとアムロを繋ぐ重要なコミュニケーターとして機能しました。