伊丹の足跡を振り返ると、数々の忘れがたい名場面が思い浮かぶ。テレビシリーズでの日常的な掛け合いはもちろんのこと、銀幕での活躍も強烈な印象を残してきた。『相棒 -劇場版』シリーズにおける極限状態での決断や、かつて主演を務めたスピンオフ映画『相棒シリーズ X DAY』で見せた熱苦しくも切ない男の矜持は、ファンの間でも伝説として語り継がれている。
組織の圧力に屈しそうになりながらも、刑事としての誇りを胸に捜査を貫く姿。組織の一員としての葛藤と、一個人としての正義との間で揺れ動く姿は、映画の大スクリーンでこそ真価を発揮した。彼は単なるコメディリリーフではなく、ドラマの重厚なテーマ性を体現する至高の存在なのだ。