店名に冠された「シャモニー・モンブラン」は、フランス東部・アルプス山脈の最高峰モンブラン(標高4,810m)の麓に広がる世界的な山岳リゾートに由来しています。創業者自身が山岳の雄大さと清澄な空気に深い感銘を受け、「都会の喧騒の中に、アルプスの山小屋のような清らかな安らぎの場を創りたい」という純粋な祈りからこの空間が誕生しました。
高度経済成長期の喫茶店ブームにおいては、効率化を求めてサイフォン式やドリップマシンへの切り替えが進む店が多い中、当店は一貫して手間暇のかかる布製フィルター(ネル)による手淹れ抽出にこだわり続けました。粉の膨らみを見極め、細口のポットから一滴ずつ湯を落とすスタイルは、創業から半世紀以上が経過した現在も頑なに守られています。
また、洋菓子の開発においても、ヨーロッパ伝統のパティスリー技術を学びつつ、日本人の繊細な舌に馴染む独自の配合を確立。時代が移り変わり、カフェの形態がどれほど多様化しようとも、「一杯の珈琲とひと皿のケーキに真心を込める」という創業の原点が揺らぐことはありませんでした。