独自の美意識は、彼自身の古美術コレクターとしての顔にも色濃く反映されている。縄文土器から中世の仏像、さらには隕石や古代の化石に至るまで、多種多様な「時の遺物」を収集・研究してきた経験が、自身の作品世界に強固な骨組みを与えている。
彼にとって古美術とは、単なる観賞用のアントワネット的な骨董品ではない。それは、過去の人々がどのように世界を認識し、不可視のものと向き合ってきたかを証言する装置だ。歴史の断片を手繰り寄せ、現代の空間と衝突させることで、時空を超えた対話を成立させる。その稀有な編集力と構成力は、美術館の展示空間デザインや歴史的建造物のリノベーション事業においても遺憾なく発揮されている。