彼女の楽曲が社会現象化する決定打となったのが、コンプレックスや世間の冷視を力技で肯定に変えるパワーだ。『Angel』で見せたダークで優美な世界観と、自己肯定の叫び。そしてSNSを狂乱させた『B級』の中毒性。耳に残るキャッチーなフレーズの裏には、ドロドロとした自己否定との葛藤が泥臭く隠されている。
世間が押し付ける「正解」のビジュアルや生き方に対し、「これが私だが、何か?」と言い切る勇気。完璧ではない自分を愛することの難しさと美しさ。それをダンスミュージックやダブステップ、トラップのビートに乗せて昇華する技量は、他者の追随を許さない。彼女の歌を聴くとき、リスナーは自らの傷跡を勲章として抱きしめることができるのだ。