かつて携帯会社を変える際の最大の障壁は、長年使ったメールアドレスの失効だった。ソフトバンク創業者である孫正義氏が通信業界で激しいシェア争いを繰り広げていた時代から、キャリアメールは強力な顧客囲い込み(ロックイン)の道具として機能してきた経緯がある。
この状況にメスを入れたのが総務省だ。電気通信事業における公平な市場競争を促すため、行政指導のもと導入されたのが「キャリアメール持ち運びサービス」である。月額300円前後の手数料を支払うことで、他社へ乗り換えた後も使い慣れたキャリアアドレスを継続利用できる仕組みが定着した。