この議論をさらに加速させたのが、言論人やフェミニズム視点を持つ論者による発言だ。特に男性フェミニストとして知られる勝部元気氏をはじめとする論者が、SNSやウェブメディア上でこのポスターに対する批判的見解を表明したことが、対立を一層深める要因となった。
勝部氏らは、ジェンダー論の観点から「公共空間に置かれる広告が、特定の性的視線を無意識に肯定・助長することの問題性」を提起。公共交通機関は子供から高齢者まで誰もが拒否権なく目にする場所であり、そこで提示されるビジュアルはより高い社会的配慮とジェンダー平等の意識が求められると論じた。これに対し、表現の自由を重視する立場からは「個人の感情的反発によって正当なコンテンツ展開が阻害されるべきではない」という異論が相次ぎ、両者の論点は平行線を辿った。