NHKが未契約者や滞納者に対して法的措置を講じるケースは、年間で数千件規模に上る。しかし、日本全国に存在する数百万世帯の未払い者全員に対して裁判を起こすことは、物理的にもコスト的にも不可能だ。裁判手続きにかかる費用や人件費を考慮すると、回収できる受信料よりも経費の方が高くつくケースが珍しくない。
この現実的な限界を、未払い側も暗黙のうちに理解している。戸別訪問による契約勧誘が縮小されたことも相まって、一度「支払わない」と決めた世帯へのアプローチは事実上、手詰まり状態に近い。これが、真面目な支払者を苛立たせる最大の要因となっている。