一歩足を踏み入れると、整然とした陳列棚の概念は良い意味で打ち砕かれる。通路の両脇にはダンボールのまま積まれた格安お菓子や、どこから仕入れてきたのか想像もつかない日用品がズラリと並ぶ。この一見不規則に思える空間こそが、消費者の高揚感を煽る最大の仕掛けだ。
ネット通販で欲しいものを検索して即座に買う時代だからこそ、偶然の出会い=「セレンディピティ」を求める人々がここに集う。ある常連客は「目的のものを買いに来る場所ではない。今日何があるかを確かめに来る場所だ」と笑う。棚の奥から予期せぬ格安品を発見した瞬間の快感は、まさに現代の宝探しそのものだ。