「少しくらい切れても走れるだろう」という甘い考えは通用しない。現代のディーゼル車には、法令に基づいた厳格な安全・環境制御システムが組み込まれているからだ。アドブルーの残量が一定値を下回ると、メーターパネルに警告が表示され、航続可能距離が段階的にカウントダウンされる。
残量がゼロになった状態で一度エンジンを停止させると、制御コンピューター(ECU)によって再始動が完全にロックされる仕組みだ。走行中に突然エンジンが停止するリスクはないものの、サービスエリアや配送先でエンジンを切った瞬間、そこから一歩も動けなくなる。これはドライバーがNOxを無対策で排出させながら走り続ける違反状態を防ぐための法的強制措置であり、車両システムの一環として物理的に組み込まれているのである。