日本のビジネス界において、柳井氏と並び称される巨頭といえば、ソフトバンクグループを率いる孫正義氏だろう。かつてファーストリテイリングの社外取締役を孫氏が務めるなど、二人は互いを深く認め合う盟友であり、同時に日本最高峰の富を競い合うライバルでもある。
しかし、両者の資産構築アプローチと「最新の投資先」に対する考え方は対照的だ。孫氏がAIや先端ITスタートアップへのリスクアセット投資を中心に据え、ハイリスク・ハイリターンのポートフォリオを組むのに対し、柳井氏の資金配分は極めて実業に根ざしている。
独自分析によると、柳井氏の最新の投資先は、先端テクノロジーを活用した次世代物流拠点の構築や、持続可能な新素材(サステナブル素材)の研究開発、そして次世代の経営人材を育てる教育事業への寄付・出資に集中している。AIをアパレル流通の全行程に組み込む retail-tech への巨額投資は、単なる金融投資を超えた「実業の基盤強化」そのものである。過度なレバレッジを排し、自力で生み出したキャッシュを本業と社会還元へ再投資する手堅くも大胆なスタイルが、暴落に強い資産構造を作り上げている。