エンスージアスト向けの専門店や、長年チューニングカーを整備してきたメカニックの現場では、両者に対する評価はカタログスペックとは全く異なる角度から下されています。
関東近郊で旧車およびネオクラシック車のメンテナンスを専門に行うファクトリーのチーフメカニックは、現場の実態を次のように打ち明けます。
「DOHCは確かに回したときのサウンドやトップエンドの伸びが素晴らしい。しかし、タイミングチェーンやテンショナー、2本のカムシャフトまわりのクリアランス調整など、構造が複雑なぶんオーバーホール時の部品代と工数は確実に跳ね上がります。一方のSOHCは、ヘッドカバーを開けた瞬間に内部が一目瞭然で見渡せ、バルブクリアランス調整も容易です。街乗りや峠道を流す程度なら、低速からトルクがスッと立ち上がるSOHCの方が軽やかで乗っていて楽しいと感じるドライバーも決して少なくありません。」
ネットの反応を見ても、ホンダの往年の名車やスバルのEJ20型SOHC搭載車、あるいは250ccクラスのバイクを愛好するオーナーからは、「下から力強く粘るので日常の使い勝手が抜群に良い」「ヘッドが小さいため整備スペースが広く、DIY派には圧倒的に優しい」といった肯定的な声が多数を占めています。スペックシートの「最高出力」という単一の指標に惑わされず、自らの運転シーンに寄り添った選択をしているユーザーほど、SOHCの美点を正確に評価しているのが印象的です。