「渋谷で5時」が語られる際、音楽ファンやカルチャーウォッチャーの間で必ずと言っていいほど話題にのぼるのが、公式ミュージックビデオ(MV)の存在です。
制作当時、東京テレメッセージのCMソングとしても大量オンエアされ、街頭ビジョンや音楽番組で繰り返し流れた本作のMVですが、映像の細部に至るまで90年代の空気感が緻密にパッケージングされています。映像内では、サングラスにスーツ姿の鈴木雅之と、上品な装いの菊池桃子がコミカルな掛け合いを披露していますが、何より驚くべきは背景に登場する出演陣です。
実は、このMVの冒頭や街頭シーンには、後に日本を代表する大女優へと駆け上がる松嶋菜々子がエキストラ・モデルとして出演しています。当時、ファッション誌「ViVi」の専属モデルから女優へのステップを踏み出していた若手時代の松嶋菜々子の姿は、現在でもファンの間で「伝説のお宝映像」として語り継がれています。
SNSやネットコミュニティに寄せられたリアルな声を検証すると、世代ごとの鮮明な受け止め方の違いが浮かび上がってきます。
「会社の忘年会で上司と歌う定番曲だった。菊池桃子さんのパートはキーが高すぎず、ウィスパー気味に可愛らしく歌えば様になるので助かる」(50代・会社員女性)
「MVを見返したら本当に松嶋菜々子さんが出ていて二度見した。渋谷の街並みも含めて、90年代のカルチャー遺産だと思う」(40代・音楽ライター)
「スマホがない時代の待ち合わせってこんなにドラマチックだったんだと、TikTokの昭和ポップスまとめ動画を見て感動した」(20代・大学生)
このように、当時を知る世代にとってはノスタルジーの象徴であり、デジタルネイティブ世代にとっては「失われたロマンを追体験できる名作」として、今なお活発な言及が続いています。