人間社会のすぐ隣で繁栄してきたスズメの急減は、「人間が作り出した都市環境が、生物にとって生存不可能な無機質空間になりつつある」という痛烈な警告です。スズメは人間が生活する集落の周りにしか巣を作らない「シナントロープ(人家依存性生物)」であり、人間を天敵除けの盾として利用してきました。そのスズメが暮らせない街は、巡り巡って人間の暮らしやすさや自然の豊かさの喪失をも意味しています。
これからの共生に向けて、私たちが意識すべきアプローチの判断基準を明確にしておく必要があります。
推奨される共生アクション(実践すべきこと)
- 庭やベランダの在来植物の保全:地域の在来草花や低木を残し、昆虫類が生息できる微小環境(マイクロビオトープ)を維持する。
- 安全な隙間・巣箱の設置:カラスや猫に襲われない高所に、適切なサイズの出入口(直径約3cm)を持つ巣箱を設置する。
- 過度な農薬・殺虫剤使用の抑制:家庭菜園や庭木での過剰な薬剤散布を控え、食物連鎖の土台となる昆虫を残す。
避けるべきNGアクション(慎重になるべきこと)
- 無秩序なパンくずや穀物の給餌(餌付け):都市部での過度な給餌は、ドバトやカラスの異常繁殖、糞害による近隣トラブルを誘発し、結果的にスズメの駆除圧力を高めるリスクがある。
- ヒナの安易な保護(誤認保護):春先に地面に落ちている幼鳥の多くは「巣立ち雛」であり、近くで見守る親鳥が世話をしています。人が持ち去ることは親子の引き離しにつながるため、原則として触らず見守る姿勢が求められます。