教員の働き方を語るうえで避けて通れないのが、1971年に制定された「給特法(教員給与特別措置法)」の存在です。この法律により、教員には時間外勤務手当(いわゆる残業代)が支給されない代わりに、基本給の一律4%が「教職調整額」として上乗せ支給されてきました。
しかし、半世紀以上前に定められた「月4時間程度の残業」を前提とする4%という水準は、現代の過酷な勤務実態と完全に乖離しており、「定額働かせ放題」の温床として激しい批判を浴びてきました。教員志望者の激減や休職者の増加が社会問題化したことを受け、文部科学省の中央教育審議会(中教審)を中心に制度の抜本的見直しが進められています。
教職調整額の見直し理由と最新の法改正動向における主要なポイントは以下の通りです。
① 教職調整額の引き上げ(4%から10%以上へ)
月給の4%にとどまっていた調整額を、一気に10%以上(13%程度への段階的引き上げ案など)へと増額する方針が示されました。これにより、すべての教員の基本給水準が底上げされ、若手からベテランまで数十万円規模の年収アップにつながります。
② 学級担任手当の新設・拡充
負担が特に重い学級担任を担う教員に対し、職責に応じた新たな手当の創設や既存手当の増額が盛り込まれ、現場の苦労に直接報いる仕組みづくりが進んでいます。
③ 持ちコマ数の削減とサポートスタッフの配置
単なる給料アップにとどまらず、教科担任制の推進や業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)の拡充によって、そもそも残業をしなくて済む環境の整備が加速しています。