『家政婦のミタ』が記録した最終回の平均世帯視聴率40.0%という数字は、21世紀の日本の民放連続ドラマにおいて歴代上位に君臨する大偉業です。初回放送の19.5%から始まり、回を追うごとに視聴者を巻き込んで右肩上がりに数値を伸ばし、最終回では瞬間最高視聴率42.8%にまで達しました。
この歴史的ヒットの背景には、希代のヒットメーカーである脚本家・遊川和彦氏による極めて計算されたプロットが存在します。母親の自殺によって心身ともにバラバラになっていた阿須田家。そこに派遣された三田灯は、頼まれた依頼であれば「家族を殺してくれ」「学校を燃やしてくれ」という常軌を逸した要求にも無機質に応じようとします。倫理的な境界線をあえて踏み越えるサスペンスフルな緊張感が、従来の予定調和なホームドラマに飽き足らなくなっていた視聴者の視線を釘付けにしました。
さらに、斉藤和義氏が歌う主題歌「やさしくなりたい」の存在も外せません。張り詰めた緊張感の中で三田灯が冷酷な台詞を放った直後、痛切なエレキギターのリフとともに流れ出す哀愁に満ちたメロディは、冷徹なアンドロイドのように見える三田の心の奥底に秘められた悲哀を浮き彫りにし、視聴者の情緒を激しく揺さぶる劇的な演出効果を生み出しました。