この事件が日本の法曹界および国際社会に投げかけた問題は、単なる一元校長の犯罪にとどまりません。一般に誤解されがちな法的課題として、「国外犯処罰規定」の実効性があります。
日本人が海外で児童買春を行った場合、日本の法律でも処罰対象(国外犯処罰)となりますが、現地警察との捜査協力、被害者の身元確認、現場の特定などには膨大な外交・捜査リソースが必要です。高島氏の事件では、押収された膨大なアルバムという「自己記録」があったからこそ立件に至りましたが、自供のすべてを立証することは極めて困難でした。
この事件を契機に、外務省や法務省、警察庁による海外児童買春対策の強化や、国際共同捜査の枠組み整備が議論されるようになりました。「日本人が海外で行った行為であっても決して逃げ切ることはできない」という法改正・運用の厳罰化へつながる象徴的な事例となったのです。