1996年に公開され、日本のみならず世界中で社会現象を巻き起こした映画『Shall we ダンス?』。この作品でヒロインのダンス教師・岸川舞を演じた彼女は、第20回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞をはじめとする名だたる映画賞を総なめにした。映画初出演にして見せたあの圧倒的な気品と哀愁は、今もなお多くの映画ファンの記憶に鮮烈に刻まれている。
しかし、映画の大成功を経ても、彼女の本分はあくまで舞踊にあった。2009年にバレエ界を正式に引退するまで、世界の舞台で踊り続けた日々は過酷を極めた。引退記者会見で見せた一切の悔いを残さない清々しい表情。そこから本格的な女優への転向を果たした背景には、身体表現の極限を極めた者だけが到達できる、次の表現領域への渇望があった。